保険未加入問題については、工事費は安ければよいという発注者にも問題があるのではないか。

保険未加入問題については、建設投資が大きく減少し受注競争が激化する中で、過度の価格競争や法定福利費までも変動費化す るような不公正な競争が行われるところに問題を発生させる構造的な一つの要因があります。
この問題に対応するためには、ただ安ければよいという発注者も、またダンピングしてまでも受注したいという受注者も、いずれも今の建設産業界の窮状を踏まえて、その行動のあり方を顧みることが必要です。
このため、国土交通省では、主な民間発注者団体に対し、法定福利費の確保により社会保険等未加入対策の徹底を図る観点から、建設工事の発注に当たって公正な競争が成り立つよう必要以上の低価格による発注をできる限り避けて、必要な経費を適切に見込んだ価格による発注を行うこと等を求めているところです。
いずれにしてもこの問題は、行政・発注者・元請企業・下請企業・建設労働者等の関係者が一体となって取り組むことが不可欠であり、建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会(旧:社会保険未加入対策推進協議会)など様々な機会を通じて関係者一体となった取り組みが進められています。