一人親方を派遣?知っておくべき派遣と請負の区別基準

一人親方は個人事業主です。

派遣とは、労働者派遣のこと言い、労働者派遣法の第4条において「建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)」については、労働者派遣事業を行ってはならないとされています。

したがって、建設業において派遣は禁止されているので、当然一人親方でも労働者派遣のような形態では仕事はできません。

工事の現場で人手が足りないとならないように、複数の建設業者で協力して、従業員を現場に送り込むということが日常的に行われている場合があります。

しかし、このことが違法な派遣行為とみなされる危険性があります。

一人親方は個人事業主です。個人事業主は、請負で仕事をすることになり、請負契約を結びます。

そのため、一人親方が派遣で働くというのは、成り立たない話です。

一人親方建設業共済会3つの特徴!

年会費6000円の
一人親方団体

  • 2,000年4月設立以来の年会費6,000円
  • 更新手数料無料 年会費のみ
  • 労働保険事務組合が運営

最短翌日から加入可能!
加入証明書即日発行

  • 簡単に加入可能!
  • WEB、FAX、郵送、来所対応!
  • 社労士賠責加入済み

3人の社会保険労務士常駐!
社労士賠責保険加入済

  • 労災事故の安心!
  • 労災請求の事務手数料一切なし
  • 社会保険労務士報酬無料

一人親方で「現場へ派遣される」とは?

「一人親方が現場へ派遣される」、という話を聞いたことがありませんか。「現場へ派遣される」という表現はちょっと紛らわしいのですが、この場合は、ある現場へ一人親方が入っているという意味でとらえておくのが良いと思います。

そうでないと、請負契約と言いつつ、実態は建設業従事者を派遣し現地で元請け等の指揮命令を受けて業務に従事させることになり、労働者派遣法、建築基準法に抵触してしまう話になります。

建設業で労働者派遣はなぜ禁止されているのか?

「現実に重層的な下請関係のもとに業務処理が行われるなかで、建設労働者の雇用の改善等に関する法律により、 労働者を雇用する者と指揮命令する者が一致する請負という形態となるよう雇用関係の明確化、 雇用管理の近代化等の雇用改善を図るための措置が講じられており、労働者派遣事業という新たな労働力需給調整システムを導入することは、建設労働者の雇用改善を図る上で、 かえって悪影響を及ぼすこととなり適当」でないからとされています 。

簡単に言うと、建設業を営む企業は現場で働く労働者に自分で責任を持たせよう。それによって労働者を守り、ひいては建設業全体を守ることに繋がるから、ということです。

違法状態?となるケース

従業員を他者の要請に応じて現場で働かせる場合、

(1)労働者供給

(2)労働者派遣

(3)請負の3パターンが考えられます 。

(1)労働者供給とは、「供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させること」であり、(2)労働者派遣ではないものを指します(職業安定法4条6項)。

(2)労働者派遣とは、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」で、労働者を当該他人に雇用させる約束をしていないものを言います(労働者派遣法2条1項1号)。

(3)請負とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する」ことです(民法632条)。「工事を完遂したら報酬を支払う」契約であり、単なる労働力の提供ではなく「完成させること」が報酬支払いの条件となります。

そして、労働者派遣法4条1項には「建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又 はこれらの準備の作業に係る業務をいう。)…について、労働者派遣事業を行ってはならない」と規定されています。

結論から言うと、他の事業者に建設工事の作業(及び準備)を行わせる場合、(3)請負のみが適法です。

(1)労働者供給(2)労働者派遣(以下、両者合わせて「労働供給」と呼びます)は違法行為であり、行うことができません 2。

仮に契約書の名目が「請負契約」でも実質が「労働供給」に当たる場合は、偽装請負であり、違法な労働供給と判断されることになります。

つまり、労働供給・偽装請負に当たるか、請負なのかが適法・違法の分岐点となります 。

区別基準のポイントは「指揮命令」

「請負」も「労働供給」も、自分が使用する従業員等を他者の下で労働させる点では同じですが、その誰が労働の指揮命令を行っているか、誰の指揮・管理に基づいて労働しているかが、最大の違いです。

現場において、自らの責任において、従業員に対して、業務遂行に関する指示や管理をする場合には請負に当たり、他人(注文主や他の会社)が指揮命令をする場合は「労働供給」となります。後者の場合は、請負契約の形式で行われていたとしても、偽装請負として違法となります。

「指揮命令」の内容

具体的には、

  1. 労働者の業務の遂行方法に関する指示・管理
  2. 労働者の業務遂行の評価に係る指示・管理
  3. 始業・終業時間、休憩、休日、休暇などの指示・管理
  4. 服務規律や労働者の配置などの決定・変更を自ら行い、従業員の労働力を自ら直接利用するものであること。
  5. 業務処理に関する資金の調達・支払いや、民法その他法律上の責任は事業主としてすべて負うこと。
  6. 機械設備又は材料を自ら準備するか、専門的な技術・経験に基づいて業務を処理して
  7.  単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。

これらすべての要件を満たす場合が請負であるとされています。形式的・機械的に判断されるのではなく、契約条件や専属度、収入額などに応じて総合的に考慮して判断されます。

適法な請負と評価される具体例

・現場に誰を行かせるかは、発注者や元請業者の指示・要望があるとしても、最終的には自分の責任で選択する。

・現場には技術・労務管理の面で従業員を指揮・管理できる者を赴かせ 、発注者からの指示をその管理者が受けて、従業員に指示や管理を行う。

・業務に必要な機械・器具・資材は原則として自分で用意する。発注者や元請会社から借りたり購入する場合には請負契約とは別に賃貸契約や売買契約を結ぶ。

建設現場で派遣禁止業務に該当しない業務とは

施工管理

現場で直接作業に従事しない工程管理や安全管理、品質管理などの施工管理業務は派遣でも従事することが可能です。
そのため、施工管理でも禁止事項に該当しない業務であれば、派遣で従事することができます。

CADオペレーター

CADオペレーターは直接現場で作業する業務ではなく、労働者派遣法に該当しないため、派遣でも業務を行うことができます。CADオペレーターは、CADソフトを使って設計者の図面を基に施工図や詳細図などを作成します。

現場事務所の事務

現場事務所の事務員として事務の業務を行うことも労働者派遣法に該当しないため、派遣でも業務を行うことができます。契約や書類整理、電話や来客の対応、請求書のチェックなどが現場事務所の事務員の仕事です。

現場代理人

工程管理や品質管理、安全管理など、施工管理業務にのみ従事する現場代理人は、派遣でも業務を行うことができます。監理技術者や主任技術者の場合は、建設会社との「直接的かつ恒常的な雇用関係」が必要なため、派遣で業務に就くことはできません。

中小建設業事業主の特別加入制度 3つの特徴!

業界最安水準

年会費36,000円

  • 2000年以来の年会費業界最安水準
  • 更新手数料無料 年会費のみ
  • 労働保険事務組合が運営

最短翌日から加入可能!

加入証明書即日発行

  • 簡単に加入可能!
  • WEB、FAX、郵送、来所対応!
  • 社労士賠責加入済み

3人の社会保険労務士常駐!

社労士賠償責任保険加入済

  • 労災事故の安心!
  • 労災請求の事務手数料一切なし
  • 社会保険労務士報酬無料!

特別加入の申請手続

中小事業主↗

労働保険事務組合を通じて「特別加入申請書(中小事業主等)」 を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し 、その承認を受けることになります。

一人親方 ↗

特別加入団体を通じて「特別加入申請書(一人親方等)」を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し、その承認を受けることになります。
※特別加入団体は全国に3173団体あります。(令和2年現在)

お問い合わせ・お申込み

  • ※元請工事のない事業所のみとさせていただきます。元請工事がある事業所はお受けすることができません。
  • ※雇用保険関係の手続きは原則行っていません。ご相談ください。
  • ※社会保険労務士報酬は、いただきません。
  • ※会費を安くしていますので、一括払いのみとさせていただきます。