一人親方等の安全衛生管理について

建設業においては、いわゆる一人親方等も労働者と同様な作業に従事しており、労働災害と同様に、業務中の災害も多数発生しています。

一方、一人親方等は、労働安全衛生法では保護対象とされておらず、この結果、安全衛生に関する基本的な知識を身につける機会が得られていません。

労働安全衛生規則等の一部を改正する省令がこのほど公布され、2023年4月1日から施行される。

 これまで労働安全衛生法に基づく措置の対象ではなかった一人親方などについて、危険有害な作業を行う事業者に労働者と同等の保護を求めるものです。

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「一人親方等」とは

「一人親方」とは、一般的には労働者を雇用せずに事業を行う者をいいます.

日本では企業による雇用が中心のため、個人事業主である自営業は労働力人口の8%に過ぎませんが、「2017年労働力調査」によれば、建設業の場合は建設業に従事している者の約11%を一人親方等が占めています。建設業の一人親方等の個人事業主は、自ら事業を行う点で他の事業主と同じですので、自分の判断で請け負った仕事を進めていく立場にあります。労働者ではないため、労働基準関係法令の保護の対象とはなりません。例えば、労働基準法では、労働者とは「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」(同法9条)と規定されていますが、一人親方は誰かに使用(雇用)されている者ではなく、使用者(雇用主)が労働者に支払う賃金を支払われている者でもないため、
労働者に該当しないとされています。
したがって、1日8時間の法定労働時間や残業規制などの働く時間の規制、最低限の報酬を保証する最低賃金、年1回の健康診断を義務づける措置など、いずれも一人親方には適用されないのです。
建設現場で働いている姿からは雇用されている「労働者」か「一人親方」か一見して区別できませんが、一人親方は「一人ひとりが事業主である」という自覚を強く持った働き方が求められているのです。

一人親方などの安全確保も事業者側が義務を負う

過去に建材として使用されていたアスベスト(石綿)が原因で、元建設作業員に健康被害が生じている問題について、国と建材メーカーに賠償を求める訴訟で初めての最高裁判決が2021年5月17日に言い渡されました。

 判決では、労働安全衛生法の一部規定で特別管理物質を取り扱う作業場という「場所の危険性」に着目していることから、その場所で危険にさらされるのは労働者に限らないことを考慮し、一人親方などについても保護する趣旨と解釈するのが相当とされました。

 そのため厚生労働省は、危険な有害作業を伴う事業者に、作業を請け負う一人親方や、同じ場所で作業を行う労働者以外の人についても一定の保護措置を義務づける省令改正が行われました。

新たに義務付けられた保護措置について周知を図っていく

危険な有害作業とは、労働安全衛生法第22条に関して定められている、労働安全衛生規則や有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則など11の省令で、労働者の健康障害防止のために保護措置の実施が義務付けられている作業(業務)など。

 具体的には、事業主が作業の一部を請け負う一人親方や下請け業者に対して、局所排気装備などの設備を稼働させるなど配慮する▽特定の方法で行うことが義務付けられている作業についてその内容を周知する▽保護具を使用させる義務がある作業についてはその旨を周知する−などを義務付ける。

 また同じ作業場にいる一人親方や他社の労働者、資材搬入業者、警備員など労働者以外の人については、労働者と同様に必要に応じて、保護具の使用についての周知、立ち入り禁止や喫煙・飲食禁止の明示、事故発生時の退避指示、化学物質の有害性などについて見やすい箇所への掲示を義務付ける。

 厚労省では事業主と一人親方の方々に向け、省令改正によって義務付けられた保護措置について周知を図り、スムーズな施行につなげたい考え。

一人親方等の安全衛生教育の必要性

「一人親方等」は、自営業者などであることから労働者とは区別され、労働安全衛生法が適用されていません。そのため、雇用された作業員と同様の安全衛生教育の機会が少なく、結果的に災害防止の知識が十分ではないまま建設現場で働いているのが実情ではないでしょうか。こうした一人親方等の安全や健康の確保のため、平成29年6月9日に政府が策定した「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」では、政府が「一人親方等に対してその業務の特性や作業の実態を踏まえた安全衛生に関する知識習得等を支援する。」ことと定められ、政府(厚生労働省)の方針に基づき本研修会を実施しています。
建設現場は混在して作業が行われ、統括管理体制のもとに統一的な安全衛生管理が行われていますが、雇用されている作業員と同様に、一人親方等にも安全衛生管理の基本的な知識の習得が求められているのです。

特別加入の申請手続

中小事業主↗

労働保険事務組合を通じて「特別加入申請書(中小事業主等)」 を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し 、その承認を受けることになります。

一人親方 ↗

特別加入団体を通じて「特別加入申請書(一人親方等)」を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し、その承認を受けることになります。
※特別加入団体は全国に3173団体あります。(令和2年現在)

お問い合わせ・お申込み

  • ※元請工事のない事業所のみとさせていただきます。元請工事がある事業所はお受けすることができません。
  • ※雇用保険関係の手続きは原則行っていません。ご相談ください。
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