一人親方労災の業務上外の認定基準が定められています。

業務上外の認定について
特別加入制度の趣旨はその業務の実情、災害の発生状況等に照らし実質的に労働基準法の適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し労災保険を適用しようとするものです。
したがって、一人親方(特別加入者)の被った災害が業務災害として保護される場合の業務の範囲は、あくまでも労働者の行う業務に準じた業務の範囲であり、一人親方(特別加入者)の行う全ての業務に対して保護を与える趣旨のものではありません。
特別加入者については次の場合に限り業務遂行性を認めるものとする。

1.建設業の一人親方等について

(1) 請負契約に直接必要な行為を行う場合
(注) 請負契約締結行為、契約前の見積り、下見等の行為を行う場合
なお、自宅から直接下見現場等に赴く場合は、自宅から下見現場までの間については、通勤とみなされ業務遂行性は認められない。

(2) 請負工事現場における作業及びこれに直接附帯する行為を行う場合
(注) 建設業の一人親方については、請負契約に基づく工事について認められるものであるから、自宅の補修を行う場合は、業務遂行性は認められません。
「直接附帯する行為」については、中小事業主の場合に準じて判断するものとするが、作業中途において当該工事に必要な資材等を購入に行く行為等は必要行為に該当します。

(3) 請負契約に基づくものであることが明らかな作業を自家内作業場において行う場合
(注) 建設業の一人親方について特別加入を認めているものであるから、自家内作業場において請負契約によらないで製造又は販売を目的として建具等を製造している場合については、業務遂行性は認められません。

(4) 請負工事に係る機械及び製品を運搬する作業(手工具類(鋸、鉋、刷毛、こて等)程度のものを携行して通勤する場合を除く。)及びこれに直接附帯する行為を行う場合
(注1)請負工事に係る機械及び製品を自宅から工事現場まで運搬する場合は、業務遂行性は認められるが、自宅から工事現場に赴く途中において、資材等を購入する場合は、自宅から資材店までの間は一般的に通勤とみられ、業務遂行性は認められません。しかし資材店から工事現場までの間については、業務遂行性が認められます。
(注2)「直接附帯する行為」とは、荷の積卸作業、運行中の自動車等の故障・修理等が該当します。

(5) 突発事故(台風、火災等)等による予定外の緊急の出勤途上
  (注)自宅から請負契約に係る工事現場へ赴くのは一般的に通勤であり、業務遂行性は認められないが、台風、火災等のため工事現場へ建物の保全等のため緊急に赴く場合は、業務遂行性を認めるものです。

特別加入者の業務上外の認定基準について(労災保険法第37条関係)
(昭和50年11月14日)(基発671号)