一人親方の皆さんが建設現場のよくあるクレーム!その対処方法は?
工事現場では、近隣住民からしばしばクレームを受けるもの。 ときには作業を止めざるを得なくなったり、「迷惑料」を請求されたり……クレームは、建設会社にとっては非常に頭の痛い問題です。
建設建築業は事業を営む上で、元請の業者・現場の近隣住民など密接に関わり、工事期間も長期になることが多く、避けては通れなくなっているのが「クレーム」であり、実際に工事関係者や利害関係者とのコミュニケーションの齟齬や仕事の雑さが原因で、思わぬトラブルに繋がってしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。工事をする上で「クレーム発生ゼロ」を目指すことは当然ですが、クレームを受けた時、上手に対応して沈静化させるというも同じくらい大切です。
工事現場によくあるクレームの種類
近隣住民から工事現場に寄せられやすいクレームには、次の4種類があります。
- 工事による騒音や振動
- 現場から出るホコリやゴミ
- 作業員の態度や言動
- 事前説明と実際の迷惑度合いが違う
クレーム(1)工事による騒音や振動
工事では、作業内容によって、どうしても大きな音や振動が発生します。現場の近隣住民が、すべて我慢強い人たちであるとは限りません。また、事前の説明をしていてもクレームが入ってしまうこともあります。そのためパネルやシートなどを使い、騒音対策は確実に行うこと、時間帯に注意することが大切です。事前の説明をしているからといっても、早朝や夕方など、騒音のでる作業は避けるべきでしょう。
工事に騒音や振動は避けられないため、説明と対策を怠らず、注意深く作業を進めていかなくてはなりません。
クレーム(2)現場から出るホコリやゴミ
ホコリやゴミは工事現場にはつきものです。大量のホコリや職人が出すゴミなどが日常的に発生するものです。日々、工事現場で仕事をしていると慣れてしまうため、多少のことなら気にならないかもしれませんが周りはそうではありません。これらの処理が不完全だと、近隣からのクレーム問題に発展します。こうしたクレームを避けるには、ホコリやゴミ、それらによる不快臭が現場外に出ることを防ぐ工夫が必要です。ホコリが出やすい作業を行う際には、シートや散水で対処していく必要があります。また、出入り口の清掃にも気を配りましょう。
同時に、作業員に対しては、ゴミ捨てについての指導を徹底しておくことが大切です。
クレーム(3)作業員の態度や言動
「作業員とすれ違っても挨拶がなかった」
「現場近くのコンビニでたむろしてタバコを吸っていた、騒いでいた」
「道路に工事車両を駐車したまま放置」
いずれもクレームにつながります。
従業員や作業員の態度や言動でクレームを受けないように、マナー研修を実施することや、現場監督もしっかりと指導することが大切です。
クレーム(4)事前説明と実際の迷惑度合いが違う?
工事を始める際には、挨拶まわりを事前に済ませていても、「事前説明よりも騒音が大きい」「事前説明では作業しないはずだった時間帯に作業をしている」などといったクレームが生じる可能性があります。
こうしたクレームの原因のほとんどは、事前の説明があいまいだったことが原因と言われています。
再発防止のためのクレーム対応のポイント
まずは相手の気持ちを理解しながら謝罪をする
建設工事の騒音に関するクレームが来た際は、まずはしっかりとお詫びをすることから始めましょう。
苦情を言っている相手に対して謝らずに言い訳をしてしまうことは、望ましくありません。
「工事の音がうるさいせいでご迷惑をおかけして申し訳ございません」と相手の心情に寄り添いながら、謝ることから始めてください。
対策をとるためにも事実確認を行う
クレームに対する謝罪をすることができたら、クレームの原因となっている建設工事の騒音に関する事実確認を行いましょう。
何がどううるさいのか、時間帯はいつかなど騒音について詳しく話を聞くことがポイントです。
このときも聞き役に徹して相手の気持ちを理解するように努めましょう。
建設工事の意義を説明する
続いて相手に納得してもらえるように、建設工事が必要になる理由を説明して理解してもらえるように慎重に説明します。
ここで相手にわかってもらうためには、謝罪や事実確認を行う際の態度が重要になることを覚えておきましょう。
解決案や代替案を提案する
解決案が提示できることに越したことはないですが、どうしても難しい場合は相手の要望に代替案を提案します。
すぐにお返事ができない際は、「こちらで対策を検討させてもらいますので、少しお待ちいただけますか」と丁寧に伝えて、こちらから折り返しの連絡をする旨を相手にお話ししてください。
一人親方は個人が看板!「コミュニケーション能力」がカギ
一人親方は、「一人の経営者・事業主」という立場です。基本的に仕事の契約内容も請負となるため、取引先や現場の近隣住民とのトラブルが発生した場合にも、自己責任のもとに対処することとなります。そしてクレーム対応で最も大切なことは、
- いかに真摯に耳を傾け
- 状況を的確に把握し
- それを共有することで解決策を探していくのか
ということが、発信者の心証や事業運営にもにも大きく影響してきます。