一人親方必見!フリーランス保護新法とは!
政府は、組織に雇われずに個人として働くフリーランスの労働環境を整備するため、新たな法律「フリーランス保護新法」を制定する方針です。
「フリーランス保護新法」とは、フリーランスをトラブルから守るための対策として注目を集めている、新たな法律です。
「フリーランス保護新法」について、方針を公示するに至った背景や、具体的な内容など、解説します。
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最近、フリーランスとして働く人々を契約上保護するための新法制定に向けた動きが活発化しています。その背景には、働き方の多様化やリモートワークの普及による近年のフリーランス人口の増加や、フリーランスへの現行法の適用の限界が問題視されたことがあります。
本稿では、主に競争法の適用を念頭に置いて、わが国におけるフリーランスの保護に向けた近年の議論と法改正の動向をご紹介します。
フリーランスとは
フリーランスとは、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」では、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者のことをいう」と定義されています。
フリーランスとして働くことが多い業種としては、一人親方(いわゆる工事請負業)、エンジニア、作家、俳優、通訳、スポーツ選手といった職業が挙げられます。
フリーランス保護新法の内容
「フリーランス保護新法」とは、フリーランスをトラブルから守るための対策として注目を集めている、新たな法律です。
フリーランス保護新法における、「フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性」では、『(1)フリーランスに業務委託を行う事業者の遵守事項』として遵守事項を示しています。
「フリーランス保護新法」について、方針を公示するに至った背景や、具体的な内容、成立に向けての課題点などを徹底解説します。
業務委託の開始・終了に関する義務
①事業委託の際の書面の交付等
フリーランス保護新法では、業務委託を発注する側が、業務に関する内容や報酬、そして開始・終了に関する内容を書面にし、それを交付またはメール等で提供することが義務化されます。
事業者がフリーランスに対して仕事を依頼するときは、「業務委託の内容(仕事内容)、報酬額等」を記載した書面を交付するか、メールなど電磁的記録を提供しなければなりません。
また一定期間以上、継続してフリーランスと仕事をする場合、契約期間や契約の終了事由、中途解約時の費用などをあわせて記載する必要があります。
②契約の中途解約・不更新の際の事前予告
フリーランスと一定期間以上の契約を結ぶ際には、契約期間や契約終了の事由、途中解除となった際の費用に関しても明記しなくてはなりません。
フリーランスと継続的に仕事をする場合、契約の中途解除や期間満了後の不更新を選択するなら、「中途解除日または契約期間満了日の30日前まで」にその旨を予告しなければなりません。
またフリーランスから求められれば、事業者は契約の終了理由を明らかにする必要があります。
そして、一定期間以上の長期契約に関しては、中途解除する場合や更新をしない場合において、解除日または契約満了日の30日前までにその旨を予告することも義務化されています。
不特定多数に対して委託募集をする際の、表示内容を義務化
業務委託をしたい事業者が、クラウドソーシングサイトやSNS等で業務委託先を募集する場合において、業務内容を明記することが義務化されます。もし募集時の内容と、実際の契約時で条件や業務内容が変更となる場合は、必ず依頼者側が説明しなくてはなりません。
募集時に提示する内容に関しては『正確・最新』であることが求められ、虚偽の表示や誤解を招く表示は罰則対象となります。
①募集の際の的確表示
不特定多数のフリーランスを対象に、仕事を募集する場合は、正確かつ最新の情報を伝えなければなりません。虚偽の表示や誤解を生むような表示は禁止されます。
②募集に応じた者への条件明示、募集内容と契約内容が異なる場合の説明義務
事業者は、応募してきたフリーランスに対し、仕事内容や報酬等を明示しなければなりません。また募集時点で明示した情報と異なる内容で契約したい場合は、その旨を説明する必要があります。
60日以内での報酬支払いを義務化
フリーランス保護新法では、委託先の事業者が業務提供を完了した日から60日以内に報酬を支払うことを義務化しています。
例えば「月末締め・翌月末支払い」というよくある契約内容であれば、「9月1日納品・10月31日支払い」でも60日以内に収まるため、遵守事項違反にはなりません。
しかし、「月末締め・翌々月15日支払い」のような契約の場合は、遵守事項違反として罰則対象になります。
フリーランスに対する不当な扱いの禁止
フリーランス保護新法では、フリーランスと依頼主側の上下関係を利用した以下の行為を禁止しています。
上記の通り、不当な受領拒否、報酬減額、返品などが主な禁止事項です。
『責めに帰すべき理由』という文言が多様されていますが、これは帰責事由とも呼ばれるもので、責められても仕方のない過失や落ち度を指します。つまり、フリーランス側に明確な落ち度がないにも関わらず、不当にフリーランスの不利益となるようなことを行うのは、遵守事項違反です。
フリーランスと一定期間以上、継続して仕事をする場合、事業者は以下1〜5の行為をしてはいけません。また6、7の行為により、フリーランスの不利益を与えることも禁止されます。
- フリーランスに責任のある理由なしに受領を拒否する
- フリーランスに責任のある理由なしに報酬を減額する
- フリーランスに責任のある理由なしに返品を行う
- 相場に比べ、著しく低い報酬額を不当に定める
- 正当な理由なく、物の購入やサービスの利用を強制する
- 金銭やサービス、その他の経済上の利益を提供させる
- フリーランスに責任のある理由なしに給与の内容を変更させたり、やり直させたりする
ハラスメント対策
ハラスメントや出産・育児・介護などについて、適切に対応できるような体制を整えることも、フリーランス保護新法で求められる事項です。
ハラスメント対策であれば、対策できるような体制と、それに関する措置を講じるように取り組まなくてはならないと示されています。さらに、一定期間以上の継続契約をする場合について、出産や育児、介護などの理由で両立が難しくなった場合に、就業条件に関する交渉や就業条件の配慮ができるような体制づくりも必要です。
これらは『取り組むべき事項』となっており、努力義務に近いニュアンスが感じられますが、違反すれば罰則対象になることは変わりありませんので、罰則のない努力義務とは異なる性質があると言えます。
①ハラスメント対策
事業者には、フリーランスへのハラスメント行為について、体制整備やその他の必要措置を講じ、適切な対応を行うことが求められます。
②出産・育児・介護との両立への配慮
事業者は、フリーランスと継続して仕事をする場合、出産や育児、介護と業務の両立という観点から、フリーランスに配慮しなければなりません。フリーランスから申し出があれば、就業状況に関する交渉や就業条件の変更に応じる必要があります。
フリーランス保護新法に違反した場合の罰則
事業者が上述の「フリーランスに業務委託を行う事業者の遵守事項」に違反した場合、行政から必要な履行確保措置が執行される予定です。具体的には「行政上の措置として助言、指導、勧告、公表、命令」などが想定されます。
履行確保措置の程度によっては、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性もあるので、事業者はフリーランスとの公正な契約・取引に努めなければなりません。
フリーランス保護新法で定められている遵守事項に違反した場合、依頼主側は以下の罰則が適用されます。
上記の通り、フリーランス保護新法に違反すると、行政指導や改善命令などの対象になります。
罰金等は伴わないため、どの程度強制力を持たせられるかは、施行後の課題点とも言えるでしょう。
また、現状では保護新法施行後もフリーランス自身が国へトラブルを申告しなくてはなりません。「依頼がなくなるかもしれない」といった不安から申告・相談できないフリーランスも多いと考えられるため、どの程度この保護新法を使って状況改善ができるかも不透明です。
今回の方針内容では、「フリーランスに対して不当な扱いをしないこと」や「国が取引環境の体制を改善すること」も内容として盛り込まれていますが、この部分がどの程度徹底されるのかも、フリーランス保護新法の運用に関して争点となるでしょう。
フリーランス保護新法の課題点
フリーランスの労働環境を整えるための「フリーランス保護新法」ですが、施行にあたっては課題点もあります。
まだパブリックコメントの募集段階であり、今後変更となる可能性も十分にありますが、フリーランスの方自身が考えるべき問題でもありますので、ぜひ以下の内容をご覧ください。
事業者の負担増加で業務委託に影響の可能性も
フリーランス保護新法が施行されれば、事業者側の負担が増える可能性も十分に考えられます。
募集時の表示内容や契約内容についての遵守事項、さらにハラスメントや妊娠・育児・介護等に対する配慮など、今まで行ってこなかった対応に迫られ、これは事業者側にとって負担となるでしょう。そのため、事業をフリーランスへ外部委託せずに社内で行うようになったり、安定した労働力を確保できる大手委託業者へ切り替える事業者も増加する可能性があります。
こうしたことから、フリーランスが仕事を獲得しにくくなるのではないかという指摘は、少なくありません。ただし、フリーランス協会をはじめとした業界団体は、依頼者側の負担が増加することによって依頼獲得が困難になることは望まないと明言しています。今後は依頼者側への配慮も含めて、法案内容が議論されていくでしょう。
保護新法が成立しても、フリーランス自身が申告する必要がある
フリーランス保護新法に関しては、まず被害を受けたフリーランス自身が申告をしないといけないのが現状です。
フリーランスは、中小企業庁のように違法な取引を取り締まる機関がなく、基本的に自己申告で対処せざるを得ないため、もし契約終了を恐れて申告しないフリーランスが多かった場合は、この保護新法があまり活用されない事態となってしまいます。
前述の通り、申告による不当な契約終了を禁止する内容や、相談窓口や取引環境の健全化をを強化する内容も盛り込まれてはいますが、積極的に申請するフリーランスがどの程度いるかはまだ不透明です。
また、現状でも下請法や独占禁止法違反が横行しているため、新しく法律ができても劇的に労働環境が改善されるとは言い切れないでしょう。
SNS上での口約束については、対応できるのか不透明
フリーランス保護新法の方向性については『事業者が、フリーランスに対して業務委託を行うとき』という前提条件が示されています。
つまり、SNS上で事業者でない個人がイラストや音楽などの制作を依頼し、その依頼についてトラブルが発生した場合、「事業者」や「業務委託」に該当しないため、この新法を適用するのは難しいでしょう。
上記のようなケースにおいては、民事訴訟が成立する可能性も高いですが、訴訟費用を考えると泣き寝入りするケースも少なくありません。
また個人間契約についても明確な遵守事項を設けてしまうと、発注者だけでなく受注者(フリーランス)にも事務作業の煩雑化などで不利益が生じる場合もあります。
こうした口約束の個人間トラブルはフリーランスで非常に多く、対応を求める声はありますが、現状の内容では難しいでしょう。
フリーランス同士や一人社長との契約がしにくくなる
今回のフリーランス保護新法は、「一人社長」も対象です。
一人社長とは、従業員を雇わず一人で事業を行っている会社社長を指します。
この一人社長はフリーランスへ業務委託を行ったり、逆に業務委託を請け負ったりする場合がありますが、この場合も保護法が適用されるため、作業が煩雑になる可能性があります。
信頼している関係性があり、お互いに仕事の受発注をしているケースにおいて、この保護新法のために取引に関する事務作業負担が増加する可能性があるのは、フリーランス自身にとってのデメリットとなるでしょう。
特別加入の申請手続
中小事業主↗
労働保険事務組合を通じて「特別加入申請書(中小事業主等)」 を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し 、その承認を受けることになります。
一人親方 ↗
特別加入団体を通じて「特別加入申請書(一人親方等)」を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し、その承認を受けることになります。
※特別加入団体は全国に3173団体あります。(令和2年現在)
お問い合わせ・お申込み
- ※元請工事のない事業所のみとさせていただきます。元請工事がある事業所はお受けすることができません。
- ※雇用保険関係の手続きは原則行っていません。ご相談ください。
- ※社会保険労務士報酬は、いただきません。
- ※会費を安くしていますので、一括払いのみとさせていただきます。