労働者以外の保護議論 業務災害実態を把握へ 厚労省・新たに検討会設置

厚生労働省は、一人親方など労働者以外の者も含めた業務上災害の実態把握などを進めるため、新たに「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」を設置した。建設アスベスト訴訟最高裁判決の結果を受けて、一人親方などについても労働安全衛生法に基づく保護措置の対象にした法改正を踏まえ、労働者以外の者に対する保護措置、注文者による保護措置のあり方などを議論することが目的です。

これはいうまでもなく、2021年5月の建設アスベスト最高裁判決で、有害物などによる健康障害の防止措置を事業者に義務付ける安衛法第22条の規定について、「労働者と同じ場所で働く労働者以外の者も保護する趣旨との判断」がされたのを受けた今年の安全衛生関係省令改正の延長線上にあります。

今回の検討会の論点とポイントは以下のようなものだそうです。

○ 個人事業者等の災害について、整備された統計等は存在しないが、現状をどう評価するか。

○ 個人事業者等の災害を防ぐために、何らかの対策が必要だという認識で良いか。

○ 個人事業者等の安全衛生対策について、どのようなことが課題になっているか。

○ 個人事業者等の災害を防ぐためには、どのような対策が必要か。

(1)労働災害を防ぐため、現行の安衛法はどのような体系となっているか。その体系の中で、個人事業者等はどう位置付けるべきか。

(2)個人事業者自身による対策はどうあるべきか。

(3)労働者とは違う立場にある個人事業者等の保護のためには、どのような対策が必要か。

(4)経営基盤・体制が脆弱な個人事業者や中小企業に対する支援はどうあるべきか。

○ その他、労働者や個人事業者等の災害を防ぐ観点から、検討すべき事項はあるか。