社会保険の強制加入が進むと一人親方が増えるというが。

事業者である一人親方については、企業にただちに直接雇用することが求められるものではありませんが、他の技能労働者と同様 に、必要な保険(国民健康保険、国民年金)へ加入するよう促していく必要があります。
一方、保険加入を徹底すると、技能労働者を雇用する企業にとって法定福利費の負担が増えることから、これを避けるために社員の 雇用関係を解消して一人親方(事業者)とし、そ一1人親方と請負関係を結ぶ企業が出ています。
このような企業の都合による1人親方化は、就労環境の改善のために進められている保険未加入対策に逆行するもので、関係法令 に違反する違法行為です。
企業の都合で形式的に請負関係にしたとしても、その実態が雇用関係である場合には請負人とは認められず、健康保険法や厚生年 金保険法の適用にあたって雇用関係があるものとして取り扱われます。このため、企業の法定福利費負担が軽くはならず、むしろ、保険料未納によるペナルティを受けることにもなりかねません。
雇用関係にあると認められる者については、無理一人親方にせず、適正に雇用関係を結ぶべきです。